<ミステリー酒場>〜加藤さんの49日〜

加藤さんが亡くなって49日が過ぎようとしています。北京は桜の花も咲き、すっかり春。部屋の中は暑くて時々焼けどしそうになります。あの世は名古屋といっしょで、通信事情も悪く、きっとこのHPをみたりはしていないでしょう。大体、あなたは北京にいる時でさえ、HPの開き方を知らなかった人ですから。
あなたのいない北京は平和です。共産党政府が台湾を攻めるぞなんて言ってますが、ぜひやってもらいたいものです。

加藤氏亡き後も庭に桜咲く


<イメージチェンジ>
ところで、先日街ネタ取材に出かけたところ、あの伝説の酒場「千登世」の跡地に、新しい店ができていました。その名も「奈奈子スナック」。入り口は真っ赤に染められ、あの場末感がすっかり消えてしまいました。思わず、中に入っていくと壁も赤と青のモダ-ンな感じ。地味系の小姐がいて、土曜日に開店するからぜひ来てくださいと誘ってくれました。こんな客の入らないところに新しい店ができるなんて予想もしていなかったので、嬉しくなって、ついでに広告まで出してもらうことになりました。
われわれが下手な歌を張り上げ、無駄な時間を過ごした、あの場所。リコーオヤジの指定席だった右端の椅子。ママに会うため転勤先のオランダから帰ってきたあの日、どうしてリコーオヤジの毛がふさふさだったのか、今でもキラキラした思い出です。行くのが楽しみで ありませんでした。
ところが開店初日、この店を舞台にミステリアスな事件が起こったのです。

李小姐の謎の発言で大混乱
ミステリー 奈奈子

上の写真をみていただきたい。2つの奇妙なことに気がつくだろう。まず、「スナック」のクの字がおかしい。カタカナだと分りにくいが、平仮名で表記すると「すなっわ」となる。そして、写真左下の影。鉄の棒が3本突き出ているだけなのにANNAという字が浮き上がっている。
賢明な読者ならこの店は「奈奈子スナック」ではなく、実は「すなっわANNA」という摩訶不思議な場所だということを見ぬかれたことだろう。

<開かないお店>
そして、運命の3月25日土曜日がやってきた。
その晩9時、広告を作成したヒロシと店で待ち合わせた。少し遅れてもいいやとうだうだしてたら、ヒロシから電話で「シャッターが閉まっていて空いてません」。
翌日、文文からメールをいただいた。飛飛と一緒に行ったが黄色いシャッターが閉まっていて開いてなかったと。まさか、お酒を飲まない2人が行くとは思わず、メールでお知らせしておいたのだった。
準備不足のB級話として、幕は降りるはずだった。

<奇妙な会話>
開けて月曜日。ヒロシきょうはやってるだろう。どうして土曜日やってなかったのか聞いてみろ。
小姐に電話したヒロシが青覚めた表情で言った。「土曜日、店は開いてたそうです」
冗談だろ、おい。おまえが勘違いするのは良くあることだけど、文文・飛飛まで開いてないって証言してるんだ、いったいどうなってるんだ。もう一度電話して確認しろ!
中国では意味不明なことが突然起こる。何がどうなってるのか、ヒロシに電話のやり取りを再現させた。
Q 李小姐、土曜日はどうして店を開けなかったの?
A 開けましたよ。午前一時まで開けてました。
Q じゃ、どうして9時に行った時、シャッターが下りてたの?
A そんなことないわよ。間違って別のところへいったんじゃないの?
Q まさか、ぼくは前から良く行ってたもの。あの時、黄色いシャッターが降りてて、僕はドンドンと叩いたはずだけど。
A え〜?店は金曜日からずっとやってますよ。土曜日も日曜日も。
Q そうなんですか。

以上がやり取りである。

真っ赤に変身した店内

<謎は半分解けた>
このミステリーを解くには、現場に行くしかない。文文・飛飛にも、ミステリーを解くためにいこうとメールで呼びかけた。その晩,体調が悪く、やめようかなと思ったが、10時過ぎ意を決して出かけた。
文文・飛飛が待っていた。2時間で店のカラオケを歌い尽くしたという。
もう帰るという2人が残した謎解きは「土曜日は、水道管が破裂して店が水浸しで大変だったんだって」
な〜んだ、そうだったのか。簡単な話だ。ん!待てよ。

<核心はわからないまま>
じゃ、なんで目の前の李小姐は開いてたといったんだ?
たぶん、かっこ悪いから開いてたといったんだろうと想像するのだが、しかし、土曜日は都合が悪くてとかなんとかいえば、なんの問題もないのに。水道管が破裂した事実は知ってたはずだ。なぜ、必要のないうそをつくのか。
ヒロシに言わせると最近知らないことを知ったかぶりする人と、知ってることを知らないふりをする人間が増えているという。不思議でしょうがない。
「ヒロシ、ゆうべあそこに行ったんだろ?」
「ええ、行きました」
「どうして開いてなかったかきいた?」
「いいえ、聞きませんでした」
不思議なことを不思議と思わない人々の集団。
この国では、かくして時々、無用の大混乱がおきるのである。

<追記>
小陶がこの店に現れたそうです。重慶火鍋の店は、登録からつまずいているようで大変です。
もちろん、できたらすぐに行きますとも。

(2000年4月1日)


級中国  ミステリー酒場

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